日本人の伝統的食文化としてユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」、今や世界中で市民権を得つつある「SUSHI」、欧米人にとって子供の頃から馴染みのある「ANIME」など、伝統文化からポップカルチャーまで日本文化の魅力は海外で広く認知されています。

日本の誇る素晴らしい文化やサービスがもてはやされる一方で、欧州に暮らしていてホンモノの「日本のいいもの」を見かけることは実はあまりありません。例えば、街中にある日本食レストランや日本食材店の経営実体はブームにあやかった非日系が多いという現実があり、こだわりの美味しさ、安心・安全、おもてなしのサービス、といった価値は伝わらないまま安価に展開されています。

しかし日本人自身が欧州進出を行い、事業化して日本文化を拡めるには様々な障害があるのも事実です。第一に、調和と同一性を求められる社会で育った我々にとって、文化・習慣・言語の違う市場へ一歩踏み出すことはそう簡単ではありません。第二に、法規制、税制、物流など欧州特有の課題に対応するのは予想外にハードルが高いです。さらに、現地の消費者を理解したマーケティング・販売促進が成功への秘訣であるのは言うまでもありません。

日本文化に誇りを持ち、”Me” ではなく “We” の力で世界に羽ばたかせたいという想いとともに、２０２０年４月、欧州事業への情熱を持つ事業者を対象にその夢の実現をサポートするカタリスト(*)となるために Kometiamo は設立されました。

自身のアメリカ留学やイタリア駐在経験から、文化や習慣、事業環境の違いは最初こそは障害であるものの、いったん乗り越えれば必ず自分の物事の見方・考え方に多様性や彩りを与え、それが人生の糧となり事業の力となると確信しています。日本の誇る「Made-in-Japan」の消費財を軸に、「もっとジャパンのある世界」を目指して活動します。

(*)カタリストとは、「化学を促進する触媒」という英語から進化して「きっかけ」や「促進の動きをする人」という意味

山本　桂子　チーフカタリスト・代表

住友商事、ドイツ信託銀行の資産運用部門を経て、2005年、ザ コカ・コーラ カンパニー日本事業ユニットに参画。事業戦略統括部長として日本の
コカ・コーラボトラーシステムの再編にかかる投資・M＆Aプロジェクトやその他主要事業プロジェクト責任者。2017年、ザ コカ・コーラ カンパニーで初の日本人としてイタリアに異動、セントラルヨーロッパ・イタリア地域（７カ国）の戦略ディレクター、セントラル・イースタン・ヨーロッパ事業ユニット（２６カ国）経営企画ディレクターを歴任し、経営戦略立案や消費者インサイト発掘を担当。2020年にKometiamo Inc. を設立し起業家としてのキャリアをスタート、東京とミラノをベースに日本の中小企業の欧州市場進出のカタリスト役を担う。青山学院大学学士、南カルフォルニア経営大学院修士（MBA）。日英伊のトリリンガル。